Malcolm Gladwell「Outliers: The Story of Success」(天才!-成功する人々の法則)を読んで(1)
2009年 07月 18日
その疑問とは、
「成功した人たちの秘訣は、自助努力だけではなく、実は、育ってきた社会や親が与えた環境にあるのではないか?」というもの。この疑問を感じるようになったのは、日本のプロスポーツ選手の成功の裏にある親の多大な関与などがきっかけになって湧いてきたのだが、例えば、イチローは野球およびベースボール選手として成功したが、その裏にはチチローとも呼ばれた父親の存在がある。
また、親の存在を超えた制度の変化といった要素も見逃せない。例えば、最近活躍を目にするようになった女子プロゴルフ選手は、岡本綾子がプロゴルフ選手になるための制度を変え、以前よりもプロになる機会が増えたことが一因である。
このような事実から、成功した人たちは、自助努力を怠らないのはもちろんんであるが、実は、それ以上に、社会や親が与えた環境に大きく依存しているのではないかという疑問が出てくるのは自然だと考えていた。だから、起業家の成功の秘訣を探るには、起業家が育ってきた環境や親の話を調べなければ...と思っていて、同時期にスタンフォードに滞在していた仲間にそんなことを漏らしていた記憶がある。
さて、成功した人たちの法則は何か?グラッドウェルは、2つの要素をとりあげている。それは「機会」と「文化」である。決して自助努力と天賦の才だけで成功したわけではない。
この本を読みながら、スタンドフォード大学在籍時代に自分も同じような疑問を持ちながら、マルコム・グラッドウェル氏を超えることができなかったことに、ちょっと悔しさを覚えた。そしてまた、自分に与えられた「機会」と「文化」を思い返した。母方の祖母の存在、中学・高校時代の日々。さらには、自分がこれから子ども達に何を伝えていけるのか。自分が過去に抱いた疑問に対する答えのヒントが示されていたせいか、いろいろなことを学ばされた。(つづく)
「天才じゃなくても夢をつかめる10の法則!」という番組が読売テレビで放映されていた。ゴルフの石川遼選手や奇跡のピアニスト辻井伸行氏などの親がとってきた子育て方法を、最新の脳科学や教育学による理論で補いながら解説しているバラエティー系の番組だった。 1つ目の法... more