日本の中期目標は90年比10%が妥当か?!(IEA試算)

2009/10/6の日経新聞の「温暖化ガス、2050年に半減させるには、日本、20年に10%減必要」という記事によると、
世界の温暖化ガスの排出を2050年に半減させるには、日米欧はまず20年時点で最低でも1990年比それぞれ10%、3%、23%の削減が必要との試算を国際エネルギー機関(IEA)がまとめた。各国・地域の排出削減余地や技術水準をもとに試算した数値で、これを踏まえて、30年には日米欧とも40%前後の大幅な削減が必要としている。

 地球温暖化を防止するには段階的な排出削減が不可欠、との立場からIEAがまとめた。バンコクで開催中のポスト京都議定書のあり方を議論する国連作業部会に合わせ、6日に発表する。

 IEAは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオに基づき、産業革命前からの気温上昇を2度程度に抑えることを前提に試算した。そのために世界は温暖化ガスの排出を50年までに半減する必要があるとされる。その目標を達成するために20年や30年時点での排出削減を行程として示した。

 具体的には、排出削減のために追加的な政策を打ち出す余地や、技術水準、削減のためのコストなどから各国・地域の排出削減幅を計算。それによると、日本は20年に90年比10%、米国は3%、EUは23%減らす必要がある。削減幅は海外からの排出枠購入などを含まず、国内削減分の「真水」を示す。

 30年の排出削減では日本には40%、米国は35%、EUは44%とより踏み込んだ削減を求めた。20年時点では大幅な技術革新は期待できないものの、30年には二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)やコークスの代わりに水素を使う製鉄技法、次世代原子力発電といった技術の確立が見込めることから、大幅削減が可能との見解を示したとみられる。日本の経済成長率は1%前後との前提を置いている。

 日米欧は現在、20年時点での削減目標について、それぞれ25%減、横ばい、20%減の目標を掲げている。IEAは米欧には現在の水準以上の削減を求めた格好だ。IEAの試算は、公平性の確保の議論を進める上で、一つの指標となる可能性があり、新興国の中国やインドの排出削減の具体化もこれからの焦点となる。

 今回の試算と比べると、日本の目標は他国より突出して高い。IEAの試算は現在の技術水準などを前提にしたもので、「25%削減」を実現するためには新たな技術革新とともに、海外からの排出枠購入などを大幅に前倒しして進める必要がある。
とのこと。バンコクでは、IEAのプレゼンがプレス向けと一般向けに実施されているようだが、現地の反応はどうだったのだろうか?

それにしても日本の25%はとてつもない数字だなぁ...
by yoshinoriueda | 2009-10-06 20:49 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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