やはりCOP15では決まらないか
2009年 10月 26日
【ロンドン時事】国連気候変動枠組み条約のイボ・デブア事務局長は23日、京都議定書に定めのない2013年以降の温暖化対策を盛り込んだ新たな国際的枠組み(ポスト京都議定書)の構築を目指す12月の同条約第15回締約国会議(COP15)に関して、交渉期限が迫っていることを念頭に、「基本的な枠組みで合意を形成することは可能だ」と述べ、各国の数値目標を盛り込んだ大枠合意を優先する考えを示した。時事通信との電話インタビューで語った。とのこと。「国連気候変動枠組条約AWG会合@タイ・バンコク 中間まとめ」というエントリーでも書いたとおり、Michael’s paperというドラフトがあるようなので、それで一旦なにがしかの合意をするのかも。
一方で事務局長は、「残された時間はわずかで、完全な条約(議定書)をまとめるのは不可能だ」とも述べ、COP15での完全合意は断念し、詳細な手続きは先送りする方針を示した。その上で事務局長は、依然として対立点が残る局面を打開するために、「現実的な目標を設定すべきだ」と言明、各国の妥協の必要性を強調した。現在までの交渉では、各国の数値目標設定に加え、開発途上国への資金支援問題などでも、意見の相違が解消されていない。
事務局長は、鳩山由紀夫首相が表明した20年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する中期目標について、「非常に印象的で、重要な公約だ」と改めて評価。その上で、首相が提案した途上国支援に関する「鳩山イニシアチブ」をCOP15までに具体化し、支援額などを明示することが重要だと述べ、日本の途上国支援にも期待感を示した。
米国の地球温暖化対策法案の年内通過が危ぶまれていることについては、「法案が成立していなくても、米政府は(合意が成立すればCOP15で)署名できる」と述べ、交渉の大きな障害にはならないとの見解を示した。
さらに事務局長は、交渉は非常に複雑で、リーダーシップが必要だとして、各国首脳のCOP15への出席と、合意に向けた政治決断を促した。
ちなみに、鳩山氏の所信表明演説では、
日本が地球温暖化や核拡散問題、アフリカをはじめとする貧困問題など地球規模の課題の克服に向けて立ち上がり、東洋と西洋、先進国と途上国、多様な文明の間の「かけ橋」とならなければならない。地球と日本の環境を守り未来の子供たちに引き継いでいくための行動を「チャレンジ25」と名付け、あらゆる政策を総動員し推進する。とのことだが、所信表明演説は美辞麗句が並ぶのみで中身がない。果たして鳩山イニシアチブの中身は決まるのかな?